国税庁は、2013事務年度(2014年6月までの1年間)における相続税の調査事績(海外資産関連事案)を公表しました。
 それによりますと、海外の金融機関に預貯金や株式を預けたり、資産を運用したりする富裕層がその資産(遺産)を隠匿するケースが見られることもあってか、
①相続・遺贈により取得した財産のうちに海外資産が存するもの
②相続人や受遺者・被相続人が日本国外に居住する者であるもの
③外資系金融機関との取引のあるものなど、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産関連の相続が想定される事案について、国税当局では積極的な調査を展開しております。

 また、2013事務年度において、海外資産関連事案として前事務年度より4.4%多い753件を調査し、前事務年度より520%増の163億円の申告漏れ課税価格を把握しました。
 上記の調査件数、申告漏れ課税価格は、いずれも同統計を取り始めた2001事務年度以降、最多となりました。

 そして、1件当たりの申告漏れ課税価格は、1億3,146万円(前事務年度比465%増)にのぼりました。
 さらに、重加算税を賦課された事案も17件把握され、その重加算税賦課対象額は2億円でした。

 調査事例では、国外送金等調書により、被相続人Aが、生前に、海外の金融機関に対し多額の送金をしていた事実を把握し、海外資産の保有・運用が想定されましたが、その送金に見合う海外資産の申告がなかったため、税務調査が行われたものが挙げられております。
 当初、相続人Bは、海外資産については知らない旨回答していましたが、海外の税務当局に対し、租税条約等に基づく情報交換を要請したことで、海外資産の存在が明白になりました。

 国税当局では、近年、納税者の資産運用の国際化に対応して、租税条約等に基づく情報交換制度の活用などにより、海外資産関連の把握に積極的に努め、成果を上げております。
 そして調査の結果、Bに対して、申告漏れ課税価格約1億5,000万円について加算税を含む約6,600万円が追徴課税されております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年2月6日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。