政府税制調査会は、法人課税専門委員会において、中小企業の法人税負担を軽減している税制の優遇措置を見直すとの報道がありました。
 現行の中小企業向けの優遇措置は、法人税率軽減の特例を始め、中小企業投資促進税制や中小企業者等の少額減価償却資産の特例など多くの措置が講じられており、見直しの中心は、資本金1億円以下という現行の中小企業の基準とみられております。
 現行の中小企業の基準では、全法人の99%が中小企業に分類されることになり、公平の観点から、この基準を数段階にする、または引き下げる案が出ております。

 また、中小企業に係る基準は資本金ですが、高所得の中小企業が特例措置を受けているという会計検査院の指摘もあり、特別措置の適用に際して所得基準など他の基準を用いることが合理的な場合があるとの意見も出されております。
 中小企業者等の税率については、法人税法により基本税率25.5%から19%に軽減され、さらに特別措置法によりこれを15%まで軽減しております(いずれも所得年800万円以下の部分)。

 所得階級別にみますと、約73%の中小企業者が所得800万円以下であり、全ての所得が15%となっている一方で、所得が5億円以上の中小企業が約3%存在し、多額の所得を得ながら中小企業向けの特例を受けております。
 こうした現状を踏まえ、資本金1億円以下という中小企業の基準を見直し、優遇の対象を減らすことが検討されております。
 委員からは、「軽減税率を含め多種の優遇措置が講じられている結果、収益力が低い企業が存続し、産業の新陳代謝が阻害される面がある」との指摘もありました。

 今後、法人課税においては、税率の引下げが大きな焦点となりますが、基本税率(25.5%)を引き下げる場合、現在の軽減税率についても必要性が再検討される模様です。
 その他、個人・法人間の税制上の違いによって法人を選択する「法人成り」の歪みを取り除くべきとの意見もありました。
 さらに、同族会社の留保金課税は、中小企業も適用対象とすべきとの案も出ております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成26年7月10日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。