東京税理士会は、軽減税率制度は極めて効率の悪い制度だと反対しております。
 消費税率10%引上げ時に低所得者世帯に対する配慮等から軽減税率の導入が検討されております。
 同制度の導入は、低所得者世帯に対する効果が限定的であるのに対して、税収減収額=逸失税収額が多額であるほか、軽減税率対象品目の選定や中小企業者の事務負担、中小特例の形骸化といった観点からも問題のある制度だと反対理由を示しております。

 同会によりますと、酒類・外食を除く「全食料品」に対して、消費税率10%時に軽減税率5%を適用した場合の逸失税収額を1兆3,056億円と試算しており、このうち、低所得者世帯(年間総収入金額248万円以下の世帯)に効果が及ぶ軽減税額の総額は1,632億円と算出され、残りの87.5%に当たる1兆1,424億円は、低所得者世帯以外の世帯に対する軽減税額となり、低所得者に対する負担軽減策としては、極めて効率の悪い制度だと指摘しております。

 また、軽減税率を適用した場合、事業者の事務負担が増大すると指摘しております。
 そして、事業者によっては、消費税還付申告のために課税事業者(本則課税)を選択せざるを得ない状況を誘引し、結果として、小規模事業者に配慮した事業者免税点制度や簡易課税制度が形骸化するとしております。
 さらに、軽減税率の対象品目の決定の困難性があることなどから、軽減税率制度は、消費税率10%時に導入することは適当ではなく、現行の単一税率を維持すべきとし、低所得者対策は消費税等の制度の仕組みの中でなく、社会保障制度の仕組みの中で実施すべきだと指摘しております。

 逆進性の緩和としては「消費税の給付付き税額控除制度」を提案しております。
 同制度は軽減税率に比べて事務負担も少なく、給付も低所得者層に限定されるため、歳出を低く抑えられ、同制度の課題がマイナンバー制度の施行によって払拭されるまでの間は、簡素な給付措置を一定期間継続することを提案しております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成26年6月23日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。