日本総研は、消費増税が個人消費に与える影響と題したレポートを発表しました。
 消費税率を5%に引き上げた1997年と比較しつつ、消費税率引上げに伴う個人消費への影響について整理し、先行きを展望しております。
 それによりますと、前回は、単価の高い耐久財でかけこみ需要が大きく盛り上がる一方、半耐久財や非耐久財はそのしわ寄せがくる形で需要が落ち込みましたが、今回の消費税率引上げ前の消費動向の特徴は、耐久財を中心とするかけこみ需要の盛り上がりが、前回に比べ顕在化のタイミングが遅く、規模的にも前回並みかやや下回る程度にとどまるとし、その他の財・サービスが底堅く推移しており、いわば広く浅く消費回復が進んでいるとしております。

 2014年度入り後には、かけこみ需要の反動減と、消費税率引上げに伴う物価の上昇が実質購買力を下押しすることによって、個人消費は大きく減速することが避けられないとし、このうちかけこみ需要の反動減は、一時的に個人消費を落ち込ませるものの、かけこみ需要の山が小さい分、反動減の落込みも小さくなるとみております。

 そして、前回の消費税率引上げ後にみられたような消費腰折れは避けられるとしております。
 理由として、
①税率引上げのマイナス効果を緩和する政策の導入
②雇用・所得環境の方向性の違い(前回はピークアウト、今回は改善方向)
③消費性向の上昇傾向の持続の3点を挙げております。
 こうした要因を背景に、消費腰折れは回避できる公算は大きく、個人消費は、かけこみ需要の反動が一巡すれば、名目ベースでもリーマンショック前の水準を回復していくとの見通しを示しております。

 しかし、不透明要因もあげております。
 消費性向の上昇が先行きの所得環境の改善を織り込んで進んでいるだけに、所得拡大が期待外れに終わることが最大のリスクとし、このため企業業績の改善を賃金上昇に着実につなげていくこと、企業が持続的に賃金引上げを実現していける環境整備に向け、わが国経済の中長期的な成長力強化を見据えた政府の成長戦略と規制改革を着実に進めていくことが急がれると指摘しております。

(注意)
 上記の記載内容は、平成26年4月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。