相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10ヵ月以内です。
 しかし、相続税の申告期限までに遺産の全部または一部が共同相続人等によって分割されていない場合には、その分割されていない財産は、民法の規定による相続分等の割合に従って、その財産を取得したものとして課税価額を計算した申告をする必要があります。
 ただし、申告時に遺産分割がまとまらないと、その未分割の財産については、配偶者の相続税の軽減や一定要件のもとに被相続人の自宅の評価額を80%軽減できる小規模宅地等の特例の適用を受けることができません。
 そのため、特例を受ける前の多い相続税を納めることになります。

 ただし、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておくことで、相続税の申告期限から3年以内に分割された場合には、特例の適用を受けることができます。
 分割が決まった日の翌日から4ヵ月以内に「更正の請求」を行うことができますので、余分に納めた相続税を一定の手続きにより還付することができます。

 しかし、相続税の申告期限の翌日から3年を経過しても分割が決まらなかった場合、調停が成立していないなど一定のやむを得ない事情により上記の3年以内に分割が決まらなかったときには、申告期限後3年を経過する日の翌日から2ヵ月を経過する日までに「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を所轄の税務署長に提出する必要があり、承認を受けなければ、配偶者の相続税の軽減や小規模宅地等の特例の適用が受けられなくなります。

 承認を受けていれば、判決の確定の日など一定の日の翌日から4ヵ月以内に分割されたときは、上記特例の適用が受けられます。
 なお、適用を受ける場合は、分割の行われた日の翌日から4ヵ月以内までに「更正の請求」を行うことになります。
 このように、遺産分割がまとまらないと、当初の申告の際に納める相続税の負担が大きくなるだけでなく、納税資金の調達が難しくなる相続人も出てくるなど、注意が必要です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成27年2月17日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。