多くの経営者の方が、会社を設立したら、税理士と顧問契約を結ぶのが当たり前と考えているようです。
 しかし、事業規模が小さな会社の場合、本当に顧問契約を結ぶ必要があるのでしょうか?
 ただ単に、周囲の会社がみんな顧問契約を結んでいるからとか、税務署の目が気になるからといった理由で、何となく顧問契約が必要だと思い込んでいるだけではありませんか?

 顧問契約を結ぶことによって税理士から提供されるサービスは何か、それが自社にとって本当に必要なものなのかをよく考えてみて下さい。
 実際のところ、顧問契約を結んでいても、必要のないサービスを受けている会社はあります。
 また、そもそも顧問契約を結ぶ必要のない会社もあります。

 例えば、「会計帳簿は、パソコン会計ソフトを使って自社で記帳(「自計化」といいます)しており、金融機関から事業資金を新たに借り入れる予定もなく、節税対策が必要なほど利益も出ていない」という会社なら、税理士に月次試算表を作成してもらう必要がないので、顧問契約を結ぶほどのこともないと思います。

 このような会社の場合、税務申告のみを税理士に依頼した方がいいでしょう。
 顧問契約が必要でない会社にとって、顧問料は大きな負担、極論すれば無駄なコストになってしまいます。
 税理士への顧問料の支払いが、会社の赤字の原因の一因になるようでは本末転倒です。

 反対に、非常に儲かっていて節税対策が必要な会社や金融機関からの借入が必要な会社などは顧問契約を結んだ方がいいでしょう。
 また、自社で記帳することが困難な会社や経営者が財務状況を把握できないような事業規模の会社も顧問契約を結んだ方がいいと思います。

 因みに、事業規模が小さな会社でも顧問契約を結ぶと、毎月の顧問料(月額2万円~3万円)と決算・確定申告など税務書類の作成報酬(顧問料の3~6ヵ月分)が発生します。
 したがって、会社が年間に税理士に支払う報酬は、30万円~54万円になります。
 小さな会社にとっては、決して楽に支払えるような金額ではないと思います。

 私見ですが、年間売上高(総収入金額)が5千万円未満の事業規模である場合は、顧問契約を結ぶ必要はなく、税務申告のみを税理士に依頼すればいいと考えています。
 あなたの会社は、本当に顧問契約が必要かどうかを一度考えてみることをお勧めします。

阿部税理士事務所 代表・税理士 阿部 浩章